喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記
介護保険がはじまるからこそ心のケアを大切にした活動が大切になると思うんです
住民互助型在宅福祉サービス『湯沢あかねの会』(秋田県)
「この活動をはじめて一番よかったと思うことは,いろいろな出会いを経験できたこと。お年寄りの方々からは、人生の先輩としていろいろなことを教えられましたし、生きざまそのものが、現在の自分を見つめ直すいい機会にもなりました。また、同じ目的を持って活動する仲間、活動を理解して応援してくださる方々、困ったときは何でも相談できるさわやか福祉財団のような存在を得たことは、元気と勇気の源でもあります。本当に一つ一つが大切な出会いであり、お金では買えない得難い財産。そう考えると、少しだけお手伝いはさせてもらっているけれど、その何倍も何十倍も、もらっているもののほうが大きいように思いますね」
活動を続けていく原動力について明るい口調でこう話してくれたのは、住民互助型在宅福祉サービス『湯沢あかねの会』の発起人であり、代表を務める丹すみ子さん。
今、行動を起こさなければ後悔するという思いから、会の設立を決意
祖父を自宅で看取った経験から、高齢者問題に関心を持つようになった丹さんが、『湯沢あかねの会』を発足させたのは、一九九五年七月のこと。「自分にも何かできることはないかと、会を発足させる三年ほど前から、ヘルパー研修を受けたり、介護講座を受講するなど、事あるごとに勉強はしていたんですが、高齢社会の現実を知れば知るほど、これからは住民同士が支え合うというシステムが必要だと痛感するようになりましてね。でも、自分が言い出しっぺになって団体をつくるなんて、当初は思ってもみませんでした」