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そこで長野県は介護保険の実施についても、それぞれの地域の自然と歴史によって形成された一〇の生活圏ごとに広域体制を組んで指導している。

このほど訪れた佐久平は県の最東部。浅間山と八ケ岳および西上州の山地に囲まれた盆地で、司馬遼太郎によれば昔、木曽義仲が平家追討の騎馬軍団を旗揚げしたという歴史を持つ。二年前の長野新幹線の開通によって開発のピッチが上がっているが、それまでは「農村医学の父」と呼ばれる若月俊一佐久総合病院名誉総長が先駆的な地域医療を実践、農村医学のメッカとして全国に知られてきた。

 

介護認定審査会を一本化

 

圏域を形成する自治体は小諸、佐久および臼田町など南佐久郡、軽井沢町など北佐久郡の二市七町七村合わせて一六市町村。総人口は二一万九〇〇〇人。うち六五歳以上の人口は四万七〇〇〇人で、高齢化率は二一・八%に達し、要介護認定の申請件数は六一〇〇人を超える見通しだ。これらの申請を一つの介護認定審査会で広域的に処理する準備を進めている。

 

長野県の圏域と介護保険の広域実施体制

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長野県庁の介護保険相談窓口

 

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佐久の介護保険広域センターとなる介護保険対策室は佐久消防署内にある。

 

 

 

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