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『暖手』の活動を開始する一年ほど前、この近くで、年老いた夫が病気の妻の介護に疲れ果てて、夫婦心中するという悲惨な事件が起こった。それが明日の自分の姿でないと、誰が言い切れるだろう。その危機感が、今日の内藤さんの活動の原動力ともなっている。

「介護という重荷を家族だけで背負うのは限界がある。地域で互いに助け合うシステムをつくり上げることは自分たちのためでもあるんです。それに実際に活動をするようになって痛感するのは、病気に負けない前向きな姿勢、自立の精神、そして終末をどう迎えるかなど、活動を通じて教えられることはとても多いということ。そのことを機会あるごとに訴え続けていけば、きっと、いつか地域も変わっていくと信じているんです」

いずれは宅老事業や配食サービスなども行い、最終的にはグループホームの設立をめざしたいと、夢もいっぱい。ふれあい社会への基盤づくりに向けて、『暖手』はこれからも走り続けていく。

 

1995年7月 ホームヘルパー2級の資格を取得。

1996年3月 ホームヘルパー2級の養成講座で知り合った仲間6名とともに、準備委員会を設立。

7月 在宅福祉サービス団体『ケアハンズ』見学。

10月 さわやか福祉財団主催のリーダー研修会に参加。

10月28日 『暖手』設立。

 

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川越市民を囲んでの市民懇談会に他のボランティア団体代表と参加。

 

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97年度に開催されたシンポジウムに参加。右から2番目が内藤さん。

 

 

 

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