仕方なく、今は会員個人の車で移送サービスを行っていますが、車イスの方などは昇降が大変でしょ。何とかしたいんですけどねえ」
また、担い手が足りないのも悩みのひとつ。一二八名中、利用会員七八名に対し、ヘルプ会員五〇名と利用会員のほうが上回っており、ときにはニーズに応えきれないこともある。
「市の広報紙など通じて会員の募集はしているんですが、やはり、"困ったときはお互いさま"の意識は、まだまだ住民の間に浸透しているとは言いがたいですね。また、"やりたい"という気持ちはある方でも、いざ、人の家に入る段になると、躊躇してしまう。たとえば、食事作りひとつを取ってみても、自分の家の味付けでいいのかしらと不安を持ったり、重い障害を持った人や難病指定患者などの支援では、彼らとどう向き合っていいのかわからず、プレッシャーが大きいという声もよく聞きます」
人、モノ、金とないない尽くしの厳しい状況。具体的な手だてを講じる策も、今のところない。それでも内藤さんは、「何とかなるさ!」と、至って前向き。
「地道に活動していたら、行政も認めてくれるようになったし、家族の援助も含めて温かい手を差し伸べようとがんばってきたら、利用会員との間に信頼関係も生まれてきた。だから、まあ、あせらずに一歩ずつやっていこうと思うんです。とにかく、一人でも多くの人に、こういう団体があってよかったと思ってもらえるようにね」