そのためにも、核になってくれる人材を育成することが急務です」
この活動をはじめてから二年以上、休みらしい休みもなく、ひたすら走り続けてきた山口さんだが、多くの人たちから、「どりーまぁサービスがあって本当に助かった」と感謝されることが励みになり、疲れを感じる間もないという。「身体や精神に障害のある人など、この事業をやっていなければ、めぐり会う機会もなかっただろう人やその家族とのかかわりを持てたことも大きな収穫。差別や偏見に負けずに明るく楽しく生きている彼らの姿に触れるにつれ、自分の心の世界が無限に広がっていく喜びを感じるんですよ。そして自分自身がこうしたことを実感できたからこそ、一人でも多くの人に、この助け合い活動のよさを知ってもらいたいんです」
三〇代の働き盛りの男性が、こうした団体の代表となるケースはまだまだ少ないが、「ボランティア事業の専従スタッフでも、食べていけるんだということを世間にきっちり示したい。それが証明できれば、後に続く仲間も増えてくれるはずですから」と、きっぱり言い切る山口さん。彼の勇気ある挑戦にエールを送るとともに、徳島の地に助け合いの輪が広がつていくことを祈りたい。
徳島市に本拠地を置く、特定非営利活動法人『どり一まぁサービス』は、健康で安心して暮らしていくことのできる「新しい地域」づくりに寄与し、活力ある長寿社会の建設に協力することを目的として設立された市民互助型団体。主なサービス内容は、1] 掃除や食事の準備などの家事援助、2] おむつ交換等の排泄介助などの介護全般、3] 外出時の付き添い、4] 精神障害者や知的障害者の援助(移送・介護・家事)、5] 入院患者の援助(洗濯・買物・話し相手)、6] デイサービス(月1回)など。会員になるためには入会金5000円が必要で、利用料金は1時間700円(交通費300円別途)。サービスを提供した協力会員は1時間につき500円の謝礼金を受け取る(200円は事務手数料)。サービス活動時間は日曜祭日を含めた24時間(→連絡先は最終頁)。
