日本財団 図書館


「今だから言えることですが、準備作業や立ち上げたばかりのころは、一体、どうなることかと不安で一杯でした。でも、種まき、(啓発活動)をきちんとして、これは助け合いの活動なんだというスタンスを明確にしたことが大きなポイントになりましたね。したがって、最初のうちこそパート感覚で入会するような人もいたものの、やがて、自分が将来どうなるかわからないから体が動くうちに協力したい、家族に障害を持つ者がいて日ごろいろんな人に世話になっているのでその恩返しをしたい、在宅福祉の勉強をしたいなど、まったく違った人種が集まるようになってきたんです。しかも、そういう人たちはエネルギーがありますから、周囲への影響力も大きく、彼らの活動している姿を見て共鳴、感動して、新たに会員になってくれる人が増えるなど、好循環を来たしました」

そして、活動時間が増えるごとに、コンピュータを導入して事務作業を簡素化したり、起床介助や巡回おむつ交換などのレギュラーの依頼に対しては、曜日や時間ごとに担当する会員を決めて支援体制を整えるなど、事務局体制なども絶えず刷新もしてきた。こうした「小さな革命」も団体を運営・発展させていく上では欠かせないことだと、山口さんは強調する。

「次は、二〇〇〇時間達成のセオリーをいち早く構築し、そのための計画作りを行って、会員さんや社会に対して提案していかなければならないと思っています。具体的には、現在、四市一七町村にまで活動の範囲が広がったので、四か所程度拠点をつくって、各拠点ごとにさらなるニーズの掘り起こしを行い、本部事務所で集中管理するようなシステムを取りたい。

 

029-1.gif

在宅訪問で草とり作業中の会員さん。

 

029-2.gif

代表の山口さんは夜もパソコン作業で忙しい毎日。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION