日本財団 図書館


今、名古屋にある三〇〇坪の土地には、年間一二〇種類の野菜と作物が作られ、雑木林に囲まれた丸太小屋の家には、地域やさまざまな人の訪問が絶えない。興味を最大の生きがいの源泉にして、津端さんのネットワークは日々広がっていく。

 

クオリティ・オブ・ライフを高めよう

 

さまざまな愛情のネットワークを見てきたが、最後に心理学者の高橋恵子さんのお話をご紹介しよう。

 

愛情のネットワークに挙げられる人数は通常どのくらいなのでしょう ?

「一人の人間が愛情のネットワークの中に入れて深く付き合える人というのは、だいたい平均すると一二、三人なんです。人生のさまざまな出会いや別れを経験しながら、自分に合ったよりふさわしい人に入れ替えながら、この位の人数を常に保っているのだと思われます」

 

013-1.gif

高橋恵子さん

 

上手にネットワークをつくれる人とそうでない人かいますが ?

「ネットワークづくりには技術が必要です。初対面の人とどう交流し、会話するのか。どう友達をつくっていくのか。会社人間だけで過ごしていると、とても技術を学ぶことはできません。退職前一〇年ぐらいのエリートサラリーマンを調べると、『今が責任ある時期なので今のことしか考えられない』という人と、『肩書を外したときにどういう人生があるかを見据えている』という大きく二つのタイプに分かれます。一方はいまだ仕事一筋。もう一方はボランティアをやったり、妻との時間を考えたりとすでに生き方が違ってくる。前者の方は、退職後はつらい状況になると思いますよ」

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION