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宇都宮に戻って、学んだことを地域で生かしたいと考えた植野さんは、早速、市民の社会活動の応援センターである『とちぎボランティア情報ネットワーク(とちぎVネット)』の事務局スタッフとして、ボランティア活動を開始。そして、ここで知り合った仲間たちと意気投合し、「自分たちのできることからはじめよう」と、在宅福祉サービス団体を立ち上げる決意を固めたのであった。

「地元の市町村や社会福祉協議会が派遣するホームヘルパーは、早朝や夜間、休日などは対応してくれない。でも、それでは、困っている人のニーズを満たすことはできませんから、公的サービスのすき間を埋める存在が必要だと考えたのです」

こうして、約五か月間の準備期間を経て、宇都宮市内で初の、介護までやる市民互助型団体『人人』が誕生した。

 

仲間が集まれるような事務所を持ちデイホームを開くのが目標

 

発足から三年近くが経過し、『人人』には、現在、一三五名の会員が参加。月平均の活動時間は三五〇〜四〇〇時間にのぼる。そんな同会の特徴のひとつは、設立当初から、身体介護など利用者が一番困っている部分をサポートしようとの方針だったこともあって、重度の介護を要する利用会員が多いことである。

 

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「とちぎ健康の森」にて介護研修会。

 

 

 

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