「それなのに、なぜみなさん辞めずに続けて通ってくださるんだろうと思うんです」と大川さん。そして、行き着いた答えは、「お金や強制でつながっているのであれば、こうはいかなかった」ということだ。サポーターの一人ひとりが高齢者との交流を楽しいと感じ、パソコンを教えながら実は多くのものを彼らから学んでいる。支えているようでいて、一方で高齢者の側から生きがいをもらっている。そこにパソコンボランティアの魅力があるのだろうと、大川さんは考えている。
サポーターのミーティングは定期的に開かれるわけではなく、必要が生じた時に声を掛け合って集まる。会場は、いつも会員のお年寄りたちが「探検ツアー」と称してパソコンや周辺機器の買い出しに出かけるパソコンショップのミーティングルームだ。
ある日曜日のミーティングでは、会員から「トラブルが起きたので来てほしい」という要請があった場合にどのように対応するかが話し合われた。「トラブルの半分は電話で解決がつくけれど、トラブルの原因がわからないときは行くしかないよね」という話になって、ボランティアとしてどこまで無償でかかわるかなどについて意見を出し合った。
会報であるホームページの作成や更新もサポーターのボランティアである。会のホームページには、活動記録ばかりでなくメーリングリストで交わされた会員同士の会話集や、漫画家の手による『コンピューターおばあちゃん』の四コマ漫画もあって、見ているだけでも楽しめる。
「こういうボランティアがいるからこそ、この会があるんです。いくつになっても新しいものを学ぼうとするお年寄り、そして、それを応援するサポーター。人間ってすばらしいなって思います」
大川さんはその思いに支えられて、これからも『コンピューターおばあちゃんの会』の先頭に立っていこうと思っている。