一方で、子供世帯との別居生活による、日々の暮らしや将来への不安。そしてお金。有料老人ホームなどに比べて、比較的身近な金額で手が届くという庶民性。こうしたさまざまな要素が絡み合って、新しい住まい方に今注目が集まっているのである。そして…。
最後に残るもうひとつの重要な要素が心の安心、充足度への欲求だ。とりとめのない会話ができる人がいつもすぐ隣にいる楽しさ、共に食事をする人がいる喜びは、それを失った人々、やがて失うであろう人々にとっては代え難いものだという。
高齢者の住宅に関する諸政策
1987年
シルバーハウジング・プロジェクトの実施(建設省・厚生省)
1993年
リフォームヘルパーの設置(厚生省)
●保健、福祉、医療、建築分野の専門家が、チームを組んで、要介護老人世帯に出向き、手すり、スロープ等の住宅改造について、身体の状況を踏まえて相談、助言を行う。
1995年
「長寿社会対応住宅設計指針」の策定(建設省)
●今後建築される高齢者対象住宅の指針として策定。
1996年
「人にやさしい建築・住宅推進協議会」設立(厚生省・建設省)
●保健・福祉・医療・建築の関係130団体による協議会を設置し、人にやさしい建築の推進を図る。
1996年〜1998年
高齢者グループリビング支援モデル事業の実施(厚生省)
1998年
高齢者向け優良賃貸住宅制度の制定(建設省)
●民間が供給する高齢者の生活特性に配慮した仕様・設備と緊急時対応サービス等を備えた高齢者向けの優良な賃貸住宅に対し、建設費および家賃補助を行い、高齢者世帯居住の安定を図る。
1999年
高齢者グループリビング支援事業の実施(厚生省)
多様に広がる「ふれあい型」
もちろんグループホームも完璧な「夢のパラダイス」ではあり得ない。漠然とグループホームという言葉に惹かれただけでは、あとで後悔することにもなりかねない。