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そこで、憲法学者なども委員として参加され、大議論の結果、新しい考え方でまとまりました。市民団体の活動を情報公開することによる「公の支配」という考え方です。公益上大切な活動をしているか、税金を使っていいという活動をしているかどうか、それを公開された情報によって市民が監視し、判断する。その仕組み自体がひとつの「公の支配」、つまり、市民という「公」(パブリック)による「支配」(監督)じゃないかというところまで進んできたのは大進歩なんです。横浜市が日本で初めてじゃないですか。さらに、民間の方々も入った第三者機関が「公益」を認定する仕組みもつくることにしている。

 

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加藤 実際に第三者機関ができ、さらに条例に書き込まれるとか、そうしたところが三つ四つと増えていけば、非常に大きい進歩になるでしょうね。

堀田 もちろん妥協もあって、横浜市の場合は、どうしてもおかしなことがあれば行政が取り消すことができるとはしていますが、こうした考えがどんどん広がってくると新しい公益に対応できる仕組みがきちんとでき上がってくるだろうと期待しているんです。

加藤 世の中の変化というのはなかなか見えないものですね。少しずつカーブ曲線で変わっていくんじゃなくて、ある時期、階段状に急激に一気に変わる。いま、おそらくその階段の手前のかなりいい部分まで来ているんじゃないでしょうか。そう思います。

堀田 設置法の権限廃止を提言され、見直しを決めさせたのは大進歩ですし、それからNPO法の成立過程でもいろいろ市民の動きが出ていましたよね。

 

 

 

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