日本財団 図書館


2.9.5 粉じん

粉じんは、粉体を取り扱う作業だけでなく、溶接作業、研磨作業等の様々な作業によっても発生する。

発生する粉じんの性質によって違うが鉱物性粉じんを長期間吸い続けると肺に粉じんがたまって起こる「じん肺」になったり、鉛やカドミウムのような化学物質を含んだ粉じんを吸い込むと中毒を起こしたりする。じん肺は、ある程度進行すると、粉じんにさらされる状況が中止されても肺の変化は治らず更に進行する性質がある。

これらを予防するためには、1]発じん源には、局所排気装置等を設置して発じんを抑制すること。2]防じんマスクを着用すること。3]床、装置等に堆積した粉じんは、二次発じんの原因となるので、こまめに掃除をすることなどが必要である。

 

2.9.6 有機溶剤

有機溶剤は、400種類とも500種類ともいわれるほど種類も多く、その危険性や有害性も異なる。使用に当たっては、引火や爆発のほか、人への有害性についても注意が必要である。

有機溶剤は、常温・常圧では液体で、揮発性を有している。このため人体へは主として呼吸器・皮膚を通して吸収され中毒を起こし易い物質である。

これを予防するためには、1]局所排気装置のあるところで作業すること。2]防毒マスクを着用すること。3]素手で溶剤を扱わないこと。4]有機溶剤の入った容器は蓋をしておくこと。5]溶剤が染み込んだ布等は蓋の付いた容器に入れるなどの注意が必要である。

 

2.9.7 酸素欠乏

酸素欠乏とは、通常空気中には21%の酸素が含まれているが、この酸素の濃度が18%未満になった状態をいうが、この濃度が16%以下になると酸素欠乏の症状が現れてくる。

酸素欠乏の場合は、死亡災害につながることが多く、かつ、救助者をも巻き込む例が多く見られる。

船倉、タンク、地下室等の通気の悪い場所では酸素欠乏の危険があるので、立ち入る前に酸素濃度計で酸素濃度を確認すること。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION