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図4・44 掃引電流とスポットの位置

 

これに対し図(b)のように時間に対して電流の増加が比例していない曲がったのこぎり波では、CRT面における位置も外周の方がつまって距離誤差を生ずる。いま、t=0の時間に送信電波を発射するものとすれば、送信波を送ると同時にスポットはCRTの中心0から移動しはじめる。この移動の途中に反射物標があると、その点が輝点となって光り、反射物標があることを示し、その点の中心からからの移動距離が、自船から物標までの距離に対応することになる。

また、偏向コイルは空中線の方向と同期した回転機によりCRTのまわりを回るから、中心から移動するスポットの移動方向も回り、その方向が空中線の方位に対応する。

このようにして、CRT面には、輝点が次々と物標の方位と距離に対応して写し出され、これがCRTの残光性によって空中線が一回転してもそのまま光っているから、全周からの受信信号が写し出されて、空中線の位置を中心とした 360度の方向の状況がCRT面上で観測できることになる。

なお、CRTに関する詳しいことは、第4章に述べてあるので、参照されたい。(3・6節……CRT、レーダーブラウン管、カラーブラウン管、3・7節……LCD等固体表示器)

 

 

 

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