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レーダーがこの応答電波を捕える場合、そのビデオ出力mは図2・14のようなパルス列になって現れるが、このパルスの等価パルス幅τeは、おおむね次のようになる。

τe=B・t/△f……………………………(2・11)

B : レーダー受信機の通過帯域幅(Hz)

t : 1単位当たりの周波数掃引時間(秒)で、本SARTでは5μs(5 X10‐6秒)

△f : 周波数掃引範囲(Hz)で、本SARTでは200MHz(200×106Hz)

 

例えば、レーダー受信機の通過帯域幅が10MHzなら、等価パルス幅τ eは0.25μs、PPIの距離方向に5μs(約0.4海里)ごとに20個の輝点列が表示される。この場合、レーダー受信機の通過帯域幅が広いほど輝点が大きくなって、発見しやすくなる。また、図2・14のk′ をみて分かるように、レーダーの運用周波数によってビデオ出力mの現れる時間が5μsの範囲内で変わることである。すなわち、図2・14のように、周波数の高い方から低い方へ周波数掃引を行っているSARTを例にとると、レーダーの運用周波数が高いものほどパルス列の最初に現れる輝点の距離誤差が少なく、9,300MHz近傍のレーダーでは、SARTが存在する距離より約0.4海里後方に映ることになる。

 

032-1.gif

図2・15 観測半径12海里のPPIに映ったSARTの映像例

 

 

 

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