(3) 休止時間
一つのパルスが終わった直後から、次のパルスが送出されるまでの時間を休止時間といい、
休止時間=パルス周期-パルス幅
で表される。レーダーでは、この時間中には送信パルスの送出は休止されている。この休止時間は、最大探知距離内にあるすべての物標からのエコーを受信し終るまでの次のパルスが発射されないよう、十分に長いことが必要である。
(4) パルス繰り返し周波数
一定の周期で繰り返されるパルスの、毎秒当たりの数を、パルス繰り返し周波数という。一般に、レーダーのパルス繰り返し周波数は、数百ヘルツから数千ヘルツ程度のものが多く用いられている。
(5) 電力
パルス波の電力を表すには、尖頭電力と平均電力の2種類がある。レーダーは、発射電波が物標に当たって反射する電波を利用しているので、尖頭電力が大きい程、探知距離が増大することは、レーダー方程式によっても明らかである。パルス波の電力の尖頭電力と平均電力の関係を図1・3に示している。
レーダーは、極めて短い時間の間だけパルス波を発射し、次のパルス波が発射されるまで休止していることになるので、パルス波発射時の尖頭電力Ppをパルス繰り返し周Tにわたって平均すれば、平均電力Pm〔W〕が得られるが、この値は尖頭電力に比べて相当小さな値となる。そこで、尖頭電力と、平均電力との関係は次のようになる。
平均電力Pm=尖頭電力Pp×衝撃係数K
練習問題
(問1) 電波の基本的な性質を三つ述べよ。
(問2) センチメートル波と呼ばれる電波の、周波数範囲と波長範囲は幾らか。
(問3) パルス波における、パルス幅とパルス繰り返し周期及び尖頭電力を図示せよ。