また、メーカーの工事用図書に記載されている。サービス・スペースも十分に取った方がよい。これは、回転形の場合は回転子などの点検のためにも是非必要である。
(e) 磁気コンパスへの影響
電源部は回転形、静止形を問わずトランスなど鉄心を多量に使用しているので、磁気コンパスの安全距離は通常は大きい。これはケースなどに明示されている。
メーカーへ問い合わせること。
(f) 無線機器などへの影響
電源部の中でも、特に静止形はその出力波形によって種々の無線雑音を発生する。各メーカーは十分対策を行っているが、念のため接続ケーブルは無線機器の近くに布設しない方がよい。
2・3・5 導波管の布設
(1) 導波管のエネルギーロス
導波管内の減衰は、管内の誘電体による損失と、管壁を流れる電流によるもの(オーム損)が考えられるが、管内は一般には中空で、誘電体が空気の場合には損失はきわめて小さく無視できる。
ただし、雨水が管内に浸入した場合には、減衰は急激に増大する。
導波管壁が完全導体であれば、導電率は無限大で、すなわちオーム損はないが、実際には、どのような導体でも導電率は有限で、必ず幾らかの抵抗をもつものである。したがって、導波管の管壁に電流が流れれば熱を発生する。これは伝搬する電磁波エネルギーの一部が熱エネルギーに変わったもので、管軸に沿って電磁波は減退する。
Xバンド(9GHz帯)レーダーの場合の損失は大略次のとおりである。
この導波管ロスはレーダーの性能にどのように影響するかを考えてみよう。いま、仮に直線導波管の全長が 7.5mで、ベンドを5個使用して50kWの送受信部を装備したとすると、
0.1 (dB)× 7.5(m)=0.75(dB)
0.15(dB)× 5(個)=0.75(dB)
0.75(dB)+0.75(dB)=1.5 (dB)
となる。