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(1) 横形ヘリカル空中線

図7・15(b)において、ら旋の円周長L=πdが波長の 3/4〜4/3倍程度で、かつ、ピッチPが波長の数分の1以内から1/10倍程度にとれば、最大放射方向は軸方向となり、この空中線から放射される電波は円偏波でら旋の巻く方向によって右廻り、又は、左廻りの円偏波となる。

(2) 縦形ヘリカル空中線

ら旋の周囲長Lを波長の正しく整数倍にとり、ピッチPをλ/2にとれば、ら旋の瞬間電荷分布が図7・15(a)のようになり各ターンの担当する点は同じ位相となり、しかもそれらが半波長を隔ててスタックに置かれたと同等になるから、軸に直角な方向に最大放射が起こり軸方向に放射がほとんどない。

この空中線は水平偏波と垂直偏波が生ずるが、上下逆巻きになっているため、垂直偏波成分は互いに打ち消されて水平偏波のみが残る。

周囲長Lは波長のn倍でn=2であれば第2モードといい、n=3であれば第3モード、一般にn次モードといっている。

また、ら旋の周囲長Lが波長に比べて大変小さい場合は、その瞬間電荷分布が図のようになり、微小ダイポールと等価に考えられ放射は軸と直角で一般に弱く実用に適なさい。この空中線は主に超短波用に使用され、テレビ送信空中線等に使用されている。

 

 

 

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