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(g) 温度試験における注意事項

(i) 電気機器に近接する空気温度を周囲温度とする場合には、機器から1〜2m離れた箇所で機器の床上のほぼ中央の高さに温度計数本を機器又は他からの熱や通風の影響を受けないようにして、各計測値の平均値をとる。

(ii) 温度試験中、周囲温度に変化があった場合には、1時間以下の等間隔で測定した記録から全試験中最後の1/4の時間における平均値をとる。

(iii) 棒状ガラス温度計の使用範囲は、次の値を超えないこと。

アルコール  −70℃から120℃

水銀  −39℃から500℃

(iv) 温度計球部は適量のパテなどにより、被測温体になるべくねかせて取り付けること。また抵抗、整流子、スリップリングなどのように表面温度の変化が大きい箇所の測定には熱電温度計によることが望ましい。

(v) 水銀温度計は交番磁界のあるところは使わないこと。

(vi) 周囲温度の変化と機械の温度の間には時間遅れがあるため、周囲温度はなるべく変化させないように注意し、できれば温度計の先端を油中に浸しておくとよい。油杯は直径25?、高さ50mmぐたいの金属円筒がよい。

(vii) 排気が吸気に直接回っているかどうかを調べ、ひどいときは対策をとること。

(viii) 短時間定格機は温度試験開始時、各部温度が周囲温度と同じであること。

(ix) 温度試験初期の温度上昇、異常音、振動の程度には十分な注意を払い、1分間に1℃以上の温度上昇がある場合には特に注意が必要である。

(x) 温度上昇が一定となった場合、機器内部の発生損失と放熱される損失は同じ値であるから、空気や冷却水の奪う熱量を計算して、妥当であるかどうかを調べておくことが必要である。

(xi) 抵抗法で停止後、温度を測定する場合は、停止するまでの時間を極力短かくするよう、電気的制動や機械的制動などの利用や他力通風形では冷却空気の遮断などをあらかじめ十分に考慮すること。

なお、抵抗測定までの所要時間が次の値を超える場合、又は、定格出力が200kWを超える機器については、延長法により巻線抵抗の最高値を推定し、この抵抗値に応じた温度上昇を求めることが望ましい。

 

 

 

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