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十二、障害児の親になりて

宮崎県里親会会長 橘林継通

 

私達が里親に御認定頂いたのは昭和59年の春でした。

初めて参加させて頂いた里親総会の折、判定課長さんより、身体障害の女の子の委託相談がありました。それによりますと、障害名は(カサバッハメリット症候群)臀部から太股、ふくら脛、足の甲といったところが、正常の三倍くらいに肥大していて、痣みたいな黒点が至る所にあるのですが、それは毛細血管が皮膚から突出していて、一寸そこを擦ったりすると血管が破れて出血が始るのです、また、この子の血液には、血小板が極めて少なく、出血が始まると容易なことでは止まらないのです。お医者さんは四歳迄の命と申しておられます。後二年、この子の優しいお母さんになってあげて下さいと懇願されて、家内は意を決して帰って来ました。

 

 

 

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