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九、一本の電話

東京都養育家庭連絡会 穴沢祥子

 

私の最初の里親体験は、16年前、姫路の難民定住促進センターに収容されていたベトナムの子VKとの出会いから始まった。VKはこの6月で28歳、3年前に結婚して、5ヵ月後には第2子の誕生を迎える。また、7年前、16歳でわが家にやってきたTHも、この3月に結婚し、この子と4歳違いで、同じ頃から一つ屋根の下に寝起きをするようになったもう一人のベトナムの子FTは、この春高校を卒業して、専門学校に進学した。そして、現在わが家に措置継続されているのが、定時制高校に通うKH、養護学校に通うMH、小学校一年生のNY、保育園児のMNの4人である。

さて、その日は日曜日、私と一緒に寝ているNYとMNの二人は、早起き型で、曜日に関係なくいつも5時頃から起き出している。平日は、出勤時刻が早くて保育園の送り出しができない親に代わって、6時位から車を走らせなければならないので、目覚し代わりで助かっているが、せめて日曜日ぐらい、多少の寝坊をしてみたいというのが本音。

 

 

 

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