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六、感謝の日々

元横堀ホーム A子

 

17年前、私の家族は家庭の事情により、3人の妹と私で、横堀先生、三千代先生のもとで里子として生活をすることになりました。何も知らない私は、「里親」って、砂糖を売っている家だと思ってホームに来ました。それまでは、言葉ではいいようもない、どん底の生活で、父は仕事嫌いで、母や私達に暴力を振るう毎日で、震えている生活でした。

私達が初めてホームに行った日は、私達の着がえを入れるように、2階からタンスを降ろしてくれました。その時、私達は柱や階段に大きな傷を付けてしまい、今でも残っています。私は、小学校6年生でした。先生は暖かく迎えてくれ、家族として、横堀ホームで生活することになりました。まだ、新しい家でした。こんなに大きい家に住むのは生まれて初めてで、とっても嬉しく思いました。その中で私は、例えば、お客様にお茶を入れてもてなすことも教えて頂いたり、数え切れない位、初めてのことを教わりました。

 

 

 

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