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何ヶ月か過ぎて段々と、声は出ないが口の動きができるようになり"おはよう"とか、とても簡単な、それこそ赤ちゃんに教える感じで、毎日声が出るようになるまでがんばりました。あとは一人で食べれるようになったり、一人で着替えられるようになったり、今では身の回りの事は全部自分でできるようになりました。

私も本当は、こういう体の知也と、それをお世話するお父さん、お母さんを置いて、結婚して家を出ていくのはものすごく心苦しかったのですが、平成5年の5月に見事、ゴールインする事が出来ました。

今は5人の子供に恵まれ、子育て奮闘中です。お父さん、お母さんも今は、5人の孫のおじいちゃん、おばあちゃんになって、子ども達をとてもかわいがってくれています。私を育てていた時以上に輪をかけて、かわいがってくれているお父さん、お母さんの姿にとても感謝しています。

普通、里親というのは、子どもが自分の本当の産みの親に会うということに、不安と、とまどいがあると思いますが、私のお父さんお母さんは、「会いたければ、会いなさい。」という人だったので、児童相談所の方の協力で私は好運にも平成8年に会う事が出き、出生の時の事やいろいろと聞く事ができました。

 

 

 

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