三、里子育てゝ生きる喜びを知る
青森県里親連合会会長 葛西れい
私、葛西は、里親読本の原稿を書くという、里親会において初めての役目をお引き受けし、多少困惑しておりますが、この手記が少しでも里親の皆様の心の励みになることを願いつつ、ペンを執ります。弘前市のわが家は現在、主人と高校三年生の里子の3人家族です。私の実の長男は昭和38年生まれで、青森県の北のはずれ、大湊町に高校の教師として赴き、もう10年が過ぎました。今では子供も2人おります。妹娘は41年生まれです。小さい時からよく里子たちと遊んでくれました。今では美容師となり、家へ帰ってきてはやはりみんなの髪が気になるのか、きれいにカットしてくれます。うちの里子は娘の帰ってくる日ばかりを待っています。そんな娘にも子供ができました。
私の生まれは、鰺ヶ沢町から3キロばかり離れた、海と山に囲まれた小さな農村です。私の実家のそばを流れる赤石川は、昔からアユのよく捕れる場所として知られております。
