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それに登録の時、手違いで半年登録が遅れました。スムーズに登録されていたらK男に会う事は無かったでしょう。

それから8年、子育てに泣いたり笑ったりしているうちに3人の子の親になっていました。現在家族は主人の母、私達夫婦、高校3年生の娘A子、小学2年生のK男、6歳の男の子Y男、犬のムサシと、賑やかに暮らしています。

児相からK男の委託のお話を電話で聞いた時、平成3年7月4日が妊娠を知った時の喜び、それから面会までの2週間がとても長く感じました。どんな顔か、これからちゃんと育てられるか考えれば考える程不安で食欲も無くなりました。この時が出産を待つ妊娠期間、そして面会の日、初めてK男をこの手で抱いた瞬間これまでの不安は何処かへ飛んでいってしまい只々愛しい、このまま連れて帰りたいと思いました。母親が10ヶ月で体験する事を私なりに少しでも経験出来たのではと思っています。K男が家族になって家の中の雰囲気は一変しました。赤ちゃんの泣き声、ミルクの匂い、風にゆれるオムツ、毎日が生きているそんな感じの毎日でした。あれ程強く反対した母は、見事におばあちゃんに変身してしまい「目の中に入れても………」の諺通りになりました。

 

 

 

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