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各所とも月一回開催しているところが多く、委託後1年間は里親子での会への参加を義務付けています。

自由に発言できる雰囲気、言ったことに対してとがめられたり非難されることもないという原則が守られれば、受託して間もない時期のつらさや苦労を思いきって話すことができます。そして、そういう大変な思いをしているのは自分たちだけではないのだということをほかの里親さんの発言から実感し、また、時期がくれば落ち着いてくると、今の苦労は一時的なものでその先にみえる、あかりも示してもらえます。

印象に残っているのは数年前のグループです。グループに参加している職員がいくら原則論を言っても、里親さんの経験に基づく一言にはかないません。つぼを得たその一言は苦労の凝縮のなかから生まれたものということをその場で実感していたのですが、ふりかえってみると、具体的に言葉としてでてきません。その場の体験を共有していてこそわかるものかもしれません。ただ、里親さん同士互いを尊重しあう気持ち、助け合う気持ちが共通してあり、互いの話しによく耳を傾けていたこと、子供たちが会に参加するごとに表情がよくなり、その子なりの成長をみせてくれるので、その会が楽しみだったことは確かです。

 

 

 

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