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そして、これにつづいて堂童子によってこの地に注連がはられる。この大中臣祓の作法は「天狗寄せ」の名でも呼ばれるが、こうした名称より考えれば、悪鬼・邪霊に対し単に堂内への侵入を阻止するばかりでなく、相応の供養をした上で、共同体外に退散してもらうのが本作法の主旨なのではなかったかと考えられる。(4])

咒師はまた、十四日結願日には「神供(じんく)」と呼ばれる作法を、西を正面として立つ二月堂背後南東の飯道(いいみち)社前で行う。

 

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5]東大寺お水取り 神供

十二本の神供幣(植田英介撮影)

 

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神供幣の幣串とシデ

 

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神供壇図

(東京国立文化財研究所編『東大寺修二会の構成と所作』別巻、に拠る)

 

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『二月営縁起』

行法に妨げをなす天狗たち(植田英介撮影)

 

 

 

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