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このほか、タワーズ先生のリードで、がんの疼痛マネジメント、倫理的課題、緩和困難な症状と鎮静などについてグループワークが別室で持たれ、参加者から具体的な事例が提示され活発な意見交換が行われた。また、モンティニー先生は、飛行機事故で同乗者がほとんど亡くなった中、生き残るという体験をされ、事故そのもの、その後の療養生活を経て、霊的世界を探求するようになった。悲劇は自分への大きな贈り物であった。真に愛することを学び、緩和ケアの仕事に従事するきっかけとなったと語られた。喪失の意味や苦しみと人間の成長についての最も説得力ある講義であった。また、緩和ケアにおける心理学者の役割は何かという質問に対し、タワーズ先生は、95%は心理学者の援助なしで対応できるが、5%の難しい事例に対応してくれる人がいることが大きな安心であると答えられた。

 

ワークショップ全体を通して、お二人が自然に交代されながらお話をされる姿には、互いの信頼感の大きさがみえた。こうしたチームワークがあることによって患者とその家族への全人的、包括的ケアが実現できることを確信する素晴らしい機会であった。

 

報告/ピースハウスホスピス教育研究所 松島 たつ子

 

 

 

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