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本来、人間にはそれぞれ自分にとっての適正体重というものがあり、それより軽すぎると食欲は増し、増えすぎると自然に抑制されるという自然のメカニズムが働くといわれています。

しかし、うつ状態にあるとこの機能がうまく働かないことがありますので、薬物療法も含めて情緒問題の適切な治療が必要になります。

 

家族の対応と役割

 

家族の人は、摂食障害の人を"頑固"で"反抗的"と見がちですが、むしろ背後にある家族の心理に問題があります。「自分たちはこれについては正しい答えを知っており、間違ってはいない」と思っていることが多いのです。とくに親としては、いかに食べることが大事であるかを説教したり、無理に食べさせようとしたりしがちです。このような直接的な対応では、先に述べたアルコール依存の場合と同様、うまくいくはずがありません。いわれた当人はますます頑固に反抗的な態度をとるようになるかもしれません。これは親と子が、互いをコントロールするための力の争いをしているからです。このような親子関係では、当人の病状もよくならず、家庭内はますます混乱するでしょう。

 

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