日本財団 図書館


010-1.jpg

パネルディスカッション

 

パネルディスカッション

「21世紀におけるコミュニティ活動の展望」

 

コーディーネーターの吉田氏は、各パネリストに対し各自の考える「あるべきコミュニティ活動のイメージ」について発言を求めた。

今泉氏は、地域コミュニティの中で様々な問題が起きているが、それを改革しないことには、今のコミュニティはつぶれてしまう。改革する人は、前向きで、リーダーが積極的にやらないとだめである。

牛島氏は、「福岡助け合いの会」の何でもやる市民互助型のNPOでの活動を通じて、自分の家で生き続けるには市民同士が助け合う心の通うシステムづくりが必要である。

中田氏は、コミュニティ活動を分類する2本の柱として、目的と主体について説明し、これを交差させてできる4つの領域を、生活充実型、クラブ活動型、ボランティア型、地域問題解決型に分類し、地域の問題解決に積極的に取り組んでいるところが先進地区と呼ばれると述べた。

広松氏は、20年余り、伝統的なコミュニティが生きていた時代を経験してきた。これからのコミュニティづくりは、悪い部分を修正し、新たなものを付加して、失われてしまったコミュニティを再構築していくことだと思う。

山崎氏は、地元吉井町の「町の小さな美術館めぐり」や「おひな様めぐり」をVTRで紹介しながら、ここまでこれたのも地域コミュニティがそれを支えてきたからであると述べた。

続いて吉田氏は、各パネリストへ「コミュニティから見たNPO、NPOから見たコミュニティ」について、意見を求めた。

今泉氏は、「まちづくりには目標が必要であり、NPOの専門知識をまちづくりに活かすことが必要」とし、牛島氏は、「NPOが地域にとけ込むことが必要である」と発言された。

最後に、吉田氏は各パネリストへ「21世紀のコミュニティ活動の展望」について発言を求めた。

今泉氏は、5つのポイントをあげ、「1.自治会、町内会の中の悪い慣習を変える 2.行政によるまちづくり支援 3.自治会長とNPO代表者との交流会を開く 4.活動自体を工夫し、楽しむ視点を作る 5.行政マンがNPOの活動を体験すべきである」と述べた。

牛島氏は、「地域の活動に、住民が参加することは、これからは義務と考えていくべきである」とされ、中田氏は、「コミュニティづくりには、専門家の参加がいよいよ必要となってきた」と述べられた。

また、広松氏は「NPO、自治会、行政が、同じテーブルについて、地域問題の解決に当たることが必要である」と発言された。

山崎氏は、「もう一度、昔の集落のコミュニティがよみがえってほしい。そんな地域コミュニティの中で子供たちを育てていきたいと思う。」と締めくくった。

最後に聴衆との質疑応答を行い、パネルディスカッションは終了した。

 

パネリスト

 

今泉 重敏

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役

 

牛島 丸實

NPO法人 福岡たすけあいの会代表

 

中田 實

愛知学泉大学コミュニティ政策学部教授

 

広松 伝

あめんぼセンター職員

 

山崎 昇三

築後吉井の小さな美術館めぐり実行委員会事務局長

 

コーディネーター

 

吉田昭彦

自治省行政局行政課課長補佐

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION