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●人的支援

 

・「まちづくり支援チーム」として職員全員が位置付けられ,まちづくりのパートナーとしてまちづくり委員会の主体的な取り組みをサポートする役割で派遣されます。この職員の派遣は、平成10年度のまちづくり委員会の本格的なスタートに合わせ地域担当制として導入しました。これは、48のまちづくり委員会に地域と行政のパイプ役、まちづくりのパートナーとして平均3名程度の職員を派遣するもので、すべての行政職(保育園と幼稚園は園長のみ)170名を公務として派遣しておりますが、職員自身の研修と行政情報の積極的な提供も目的としています。

また、まちづくり委員会の申請により、専門家も派遣できることとなっています。

 

まちづくりに取り組む住民組織等の状況

 

平成10年度、町内全域にわたり48の「まちづくり委員会」が設置されましたが、それ以前にも、宗高まちづくりの会、藤守地域まちづくり委員会、大井川町蛍の会が組織され活動しています。大井川町蛍の会(下江留蛍の里づくり実行委員会)は、平成8年度に発足し、ゲンジボタルの育成・保護や環境美化の推進をとおして、郷土をより美しく潤いとゆとりのあるまちにしていくことを目的に活動しています。

今まで、「蛍の里づくり事業」として、昔ながらの湧水を活用し、蛍が生息する環境づくりを進めています。「蛍飼育小屋」を造り、「蛍の幼虫飼育」、「蛍の幼虫放流」、「蛍鑑賞会」を毎年実施していますが、下江留自治会や町の女性団体連絡会、大井川中学校等の協力を受けながらこれらの事業を進めています。蛍鑑賞会や蛍の幼虫放流の参加者が年々増えるにつれて、他の地域でも環境に目を向けた活動が増え始め、蛍の復活、蛍の里づくり等の取組を計画する地域(まちづくり委員会)も出てきています。

「まちづくり委員会」は、自治組織活性化事業の取り組みの中で生まれた組織で、住民主体のまちづくりを実践する「住民自治」を担う組織です。

昨年から自分たちの地域を住みやすくしていくために、まず地域の問題点や課題、地域の資源を把握することを目的にタウンウォッチングやアンケート調査等を行い、まちづくりの計画づくりやコミュニケーションを図るためのふれあい事業などに各地域で取り組んでいます。

本年度は、まちづくり事業資金を活用した活動が、計画から実践へと展開されつつあります。その中の「まちづくり委員会」の取り組みの一部を紹介します。

 

●「まちづくり委員会」の取り組み

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おわりに

 

この「大井川町地域参加のまちづくり条例」は、従来のようなメニューがある補助金型の制度ではなく、住民の参加と創造、責任によって使途を決めるという制度であり、納税者である住民自身が自己の判断と責任によって税の使途を決定することができる税の民主化ということを念頭においた制度で、ともすれば資金が交付されるということのみに意識が片寄りがちになる恐れがあるため、この制度の基本的・本質的なところをいかにして住民や職員が理解し、まちづくりの活動につなげていくかということが最大の課題です。

現在、「まちづくり委員会」が中心となり住み良い地域づくりを目標に環境をテーマとした取り組み、防災・交通安全などの安心して暮らせる地域づくりやコミュニティづくりを目的とした「ふれあい事業」などが町内全域で展開されていますが、これらの活動の積み重ねにより、まちづくりの輪が広がり、崩壊しつつあるコミュニティの再構築につながっていくことを願います。

 

 

 

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