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ふるさと環境シンポジウム「環境問題とISO14001を考える」の概要について

埼玉県環境生活部環境政策課

 

1 はじめに

 

今日の環境問題は、大気汚染や水質汚濁、さらにはゴミ問題などの、いわゆる都市型公害から、地球温暖化、オゾン層の破壊などの地球環境問題に至るまで、ますます複雑多様化の様相を呈してきております。

こうした中で、埼玉県では「環境優先」を県政の基本理念の一つとして掲げ、環境基本条例や環境影響評価条例を制定するとともに、環境問題に総合的に取り組むための環境基本計画や県内最大の事業者・消費者である県自らが率先して環境保全に取り組むための計画である環境配慮方針を策定するなど、環境の保全・創造を基本とした施策の推進を行ってきたところです。

さらに、平成11年2月には、こうした本県における環境配慮の取組の一層の推進を図るため、県の行う事務事業、公共事業など全ての施策を対象として、ISO14001の認証を取得したところです。

このシンポジウムのテーマであるISO14001は、事業活動や普通の日常生活が主原因となって生じている酸性雨や地球温暖化などの今日的な環境問題に対処するため、世界の各国が共通して取り組むことが可能な環境管理システムの国際規格としてISO(国際標準化機構)により定められたものです。

シンポジウムは平成11年9月9日(木)に浦和市の埼玉会館大ホールにおいて、環境保全意識の高揚と環境管理システムの普及を図ることを目的に、県民、自治体、民間企業など約1,200名の方々の御参加をいただき、盛況のうちに開催することができました。

基調講演は、地球環境問題の国内第一人者である東京大学大学院新領域創成科学研究科の石弘之教授から、「環境問題と私たちの役割」と題して、世界120か国以上の環境破壊の実態を調査し、その体験に基づいた講演をいただいた後、主催者である土屋義彦埼玉県知事と中村英男自治大臣官房地域政策室長から挨拶が行われました。

パネルディスカッションでは、基調講演に引き続きコーディネーターを石弘之教授に務めていただき、パネリストに市川昌彦(財)日本品質保証機構ISO推進本部副本部長、仲手川實富士ゼロックス(株)エコロジー・アンド・セーフティー推進部長、飯田啓子明和学園短期大学講師(消費生活コンサルタント)、大熊一寛環境庁企画調整局企画調整課環境保全活動推進室室長補佐、野辺八雄埼玉環境生活部環境政策課長が出席し、「環境問題とISO14001を考える」をテーマに、環境問題の解決のためのISO14001のあり方や今後の目指すべき方向等について各パネリストがそれぞれの立場から活発な意見を交換しました。

 

2 基調講演

 

講師の石氏からは、スライドを使用して世界各地の環境破壊の実例を紹介しながら、今私たちの取るべき行動について講演が行われました。まず、「南極での大規模なオゾンホールの出現、石垣島で珊瑚礁の死滅の広がりなど、最近、毎日のように環境問題が新聞の紙面を飾っていることにふれ、太陽は、恐らくいかなる文明、いかなる歴史においても、人間にとって恵みの存在であり、太陽がなければ人間生活が成り立たないわけであるが、オゾン層の破壊によって地上に届く紫外線の量が増え、がんや白内障の問題が深刻になり、今や太陽は大変危険な存在になってしまったこと。

 

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開会挨拶に立つ土屋埼玉県知事

 

 

 

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