本町では、開幕当初から町内各地で様々なイベントが実施されております。これらは、地域の団体やグループの協力のもと総数850名のボランティアに支えられ盛況の中で進められています。
夏場をむかえ体験博もいよいよ佳境に入ってまいりますが、色々な地域で多くのイベント計画があり、地域の住民と行政が一丸となって頑張らなければなりません。
コミュニティ活動の拠点として
面積が広い本町にあって、住民自治組織(本町では"区")は50を超えます。それぞれの自治活動拠点はその地域にあるコミュニティセンターや区民会館、集会所であり、それぞれ地域における会合をはじめ伝統文化の継承、福祉関係事業、公民館活動などそのほとんどがこれらの施設で実施されており、地域によっては冠婚葬祭などにも利用されています。
最近コミュニティセンターを建設した、市野々地区を例にとりますと、この地区は、那智山の麓に位置し熊野参詣道(熊野古道と呼ばれています)の中で最も美しく往時の雰囲気が残る「大門坂」や九十九王子のひとつ「市野々王子」などのほか多くの歴史遺産や史跡、さらにこれに由来する伝統文化を持っていました。
しかし、高度経済成長下で、多くの伝統行事や習わしは途絶えかけ、忘れられようとしていましたが、住民の地域に対する愛着や地域の活性化にかける意気込みなどが高まり、地域コミュニティの中核施設となるコミュニティセンターの建設が行われました。
この施設の建設をきっかけとして、地域の集会はもとより色々な場で老若男女が活発に議論ができるようになり、伝統文化を継承するお祭りの復興にも取り組み、これを復活させることができ、町おこしの機運が高まっています。
さらに、この地は宅地造成化が進み新しく入ってくる人々も増えており、先に住む人々との交流、ふれあいの場として、地域住民間のコミュニケーションと連帯感を深めるための活動の拠点となり大いに利用されています。
前述の南紀熊野体験博では、多くの人々が熊野古道の散策を楽しみますが、本地域はこの中心的な所であり、古道沿道を飾る花々の手入れは地域の人々の自発的な発想によるものであり、それぞれの家屋庭先に綺麗な花を咲かしています。また、大門坂茶屋での湯茶の接待もこの地域の人達の協力であり、笑顔で交わすちょっとした挨拶はきっと多くの旅人に満足していただけるものと思います。
これからのコミュニティ
本町におけるコミュニティは、公民館活動や福祉活動を中心に進められていますが、近年の社会生活の変化、多様化に伴い、コミュニティ活動は多様化し色々な形のコミュニティ組織が誕生、様々な活動が行われるようになり、町には活力が芽生えてきています。コミュニティづくりは、それぞれの地域やグループの活動状況に沿いながら、実情に応じて取り組まねばならないと考えており、これを大きく育てて行くこと、また、高齢者が増えてくる状況の中で若年者と高齢者との交流の場を作っていくことも行政としてこれからの課題で、まちづくり、地域づくりへの必要不可欠な要素となるものです。
町の特色からも小さな地域の組織から大きな組織あるいは組織形態や活動の内容が違う多くの組織が大横断的に連携し合い私たちまちに住んでいるものが楽しくすばらしい町と思える町でなければなりません。なぜならそこに住む人々が嫌な町を訪れても『少しも楽しくないから!!』です。