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6.3.2 【6.3.1】に一覧が掲載されている判断基準が満たされ、当局がある一定の保証を与えた場合、これは事業者の経費削減に役立つ。その場合、契約は、情報が不正確であることが判明するか、もしくは損害賠償請求を増額する場合に価格変更を担当する人員を雇用するべきことが含まれる。たとえば保証がだいたいにおいて適正だという例を挙げるなら、従業員が当局によって事業者に派遣される場合や、特定の周知のリスクが建物に関連して存在する(たとえば、アスベストの所在が確認された、など)場合などである。

 

6.3.3 一般的に契約から除外され、保証をが与えられないのは、以下の場合である。

(a) 事業者は、事業者がその権利を取得する予定の資産、および事業者によって推定されるプロジェクトの性質とリスクの範囲について、満足したものとみなされものとし、土地の性質、所在地および状態に関する情報(水文学、地理学および土壌技術から見た状態、ならびに地表下の状態)、考古学的発見物、科学的もしくは自然発生的な考古学的関心の範囲1、地元の状況と施設、現存する構造物の特色、および推定される義務をはじめ、本契約にもとづくその義務を履行するに必要な情報をすべて集めたものとみなされるものとする。

(b) 事業者は、当局から入手したか否かを問わず、(当局により利用可能とされた情報をはじめ)いかなる情報不正確もしくは不十分だという根拠において、いかなる方法によるも本契約にもとづく義務から免責されず、当局に対する請求の資格を付与されないものとし、かかる情報の正確さと適切さについては事業者自身の照会を行うものとする。

 

6.4 調査と報告の利益

 

6.4.1 【6.3 当局の保証】に一覧が掲載されている判断基準を適合しない場合、他にも当局が援助して、事業者が相当の注意を払うための費用の削減できる方法がある。当局は、当局が第三者アドバイザーから提出された報告もしくは調査の利益を、事業者に直接に譲渡してもかまわない。当局がこの方法を採りたい場合、当局は当該アドバイザーを指名する時に、そのアドバイザーが確実にかかる譲渡もしくは利益の共有を基礎に、この業務を引き受けることに同意するようにしなくてはらならない。さらに、このアプローチが事業者にとって価値あるものとなる予定であれば、当該報告は最新版でなくてはならず、事業者、および可能であればその融資者に対して特定の関心事を取り扱うものでなくてはならない。

 

6.4.2 入札者にとって考慮すべき実用的な選択肢は、相当の注意の、多額の費用を要する側面を実行する費用を、アドバイザーを共同指名することにより、共同負担することである。

 

6.5 潜在的な瑕疵のリスク

 

当局によって事業者に移転された資産の潜在的な瑕疵のリスクを、だれが負うかという問題は、プロジェクトの特異性をふまえて取り組むべき問題である。しかしながら土地に関するかぎり、土地の状態に関わるリスクは、例外的な事情に適合する(たとえば、当局によって、事業者が関連する調査のすべてを阻止された場合)のでないかぎり、事業者が負うべきである。

 

1 ある特定プロジェクトにおける化石および遺跡の取り扱いは、上述の第5章第2条(補償を要する出来事)を参照のこと。

 

 

 

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