日本財団 図書館


どのような企業においても、もう一度、環境という目で見直すとき、合理化の種はまだまだ見つかるのではないでしょうか。

 

c)マネジメント効率の向上と信頼性の確保。

一般的に言って、マネジメントの改善は経営者が思い立ち、よくあるように、管理部門を中心に行おうとしてもうまく行かないことがあります。全体が協力し、助け合って進めていかなければなりません。

本社中心であった経営合理化がISO9000では現場に焦点があてらました。しかし物つくりの裏で、それを一種懸命にサポートしている補助部門、ユーティリティー部門、輸送部門、廃棄物処理部門等があってはじめて企業は成り立っています。

ISO14001はマネジメントシステムの環境の部分を規定したものですが、サポート部門の多くに適用される。現在のところ種々のマネジメントシステムのなかでも最も進んだものです。社内においては同様の原理を適用すれば各方面で効率化がはかれ、各界からの評価にも耐えうるものになるでしょう。

 

d)ビジネスチャンス。

環境マネジメントを進めていく過程では、新しい技術開発も必要になってきます。自らの問題は他社にも問題です。それができれば新しいビジネスチャンスへも繋がってきます。

通産省からの発表でも、今後環境ビジネスを支援していくことがあげられています。

 

3. 環境マネジメントシステム規格

地球サミットに向けて諮問を受けて、その方針の検討をしていた持続的開発に関する産業人会議(BCSD)の依頼を受け、国際標準化機構(ISO)は、IECと共同でアドホックグループ:ISO/IEC/SAGE(Strategic Advisary Group on Environment)を1991年7月に設立して検討の結果、1993年2月に、環境管理に関する国際規格制定のための技術委員会TC207が新設されることになりました。

1993年6月にカナダのトロントにおいて第一回TC207全体会議を開いて以来、精力的に各種テーマについて検討してきています。各分科会での検討事項は以下のようなっており、14000台の規格番号がつけられることになっていることから、環境管理の規格類はISO14000シリーズと総称されるようになりました。

SCI:環境マネジメントシステム(EMS) ISO14000台

SC2:環境監査システム(EA) ISO14010台

SC3:環境ラベリング(EL) ISO14020台

SC4:環境/リオーマンス評価(EPE) ISO14030台

SC5:製品ライフサイクルアセスメント(LCA) ISO14040台

SC6:用語と定義(T&D) ISO14050台

WG1:製品規格の環境側面(EAPS) ISO14060 後に、ISOガイド64となった。

WG2:森林マネジメント ISO14061

環境マネジメント・監査制度の骨格となる規格類が完成したことから、ISOでの検討は環境ラベリング、製品ライフサイクルアセスメント(LCA)規格等に移っています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION