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なお、上記の積算は、津波は図表2-1に示したように波浪外力が優越するため、それに包含することによる設計となっているが、今後、仮に実際に設計することとなった場合には、より詳細な検討を行う必要がある。すなわち、一般的にみれば、用途が具体化した段階で、その用途に応じた安全基準・設計基準が明確にされてくる。その場合、構造物に必要とされる設計条件がここで検討しているレベルとは変わる可能性があり、結果的に、必要鋼材量が変化するなど若干の修正はあり得よう。また、例えば、鋼材や加工費などの単価が変化することなどによって積算費用が変動してくる可能性がある。

また、他方で、上記の積算は、現時点の技術をべースに試算されたものである。平成10年度調査でとりまとめたように、現在、関連企業・組合においで“洋上接合の合理化研究”、“外力による応力を設計上の工夫により低くする設計合理化研究”、“製作費低減研究”などコスト低減に関わる研究が進められていることから、将来の実用化段階には、さらに建設費用の低減が図られる可能性がある。

そのため、メガフロートの導入機能に関して、面積や上部施設の規模・内容・配置などの詳細が決まった段階で、それを前提とした安全基準・設計基準のもとでより精度の高い、実態に即した設計による試算を行うことが必要である。

 

 

 

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