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2 中部圏の特性

 

(1) 優れた国際的環境

中部圏は、全国的にみても例をみない国際的な環境下にある。中部圏は、今なお圏域の30%を占める米軍基地の存在及び米軍基地建設を景気として戦後の都市形成が進んだなどの歴史的背景もあり、常にアメリカ的なものとの接触がある。基地を介して、米国のメディア、エンターテイメント、スポーツなどに触れてきた。沖縄には5万人を超す米軍人・軍属が暮らしており、その多くが中部圏に居住している。加えて、米軍人・軍属とのビジネスなどとの関連でインド人や中国人などが商売を営むなど外国人が多く住み、国際的な雰囲気が日常的に備わっている地域である(ちなみに、沖縄の外国人登録者数7,246人のうち、中部圏には3,714人(51.3%)が登録している)。

また、琉球大学や沖縄国際大学、沖縄キリスト教短期大学には、多様な国からの留学生が学んでおり、地域との交流も図られている。さらに、基地の中には米国の大学が6つあり(セントラルテキサス大学、メリーランド大学・大学院、ミシガン州立大学院、トロイ州立大学院、オクラホマ大学院)、毎年70人超の住民が、基地内大学で学んでいる。このような環境を国際的環境と性格づけるならば、中部圏はわが国においても、有数の国際的な環境下にある、と言える。

今日、わが国の国際化、国際感覚など、国境を越えたグローバルなスタンスが、政治・経済・文化の各方面で、強く求められている中、このような環境は、国際化に対応できる人材の育成や確保を考えるうえでも、きわめて有利な資源の一つである。

しかしながら、これら資源を十分には活用できていない面もあり、語学教育、国際的意識の醸成などへと活用していく仕組み、取組の充実も課題となっている。

 

 

 

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