日本財団 図書館


高齢者のボランティア部隊としては、ほぼ全地域で組織されている既存の老人クラブやシルバー人材センターのほかに、ここ数年の間に高齢者の「就業・生きがい・助け合い」を目的として福祉活動の事業化に力を入れている「高齢者協同組合」が22の都道府県で設立され、当県でも「さいたま高齢者協同組合」(本部:浦和市)が活動を開始している。各県の組合は、当面、生活協同組合法に則った法人格を整えて、介護保険法上のサービス事業者の資格獲得へ向けての取組も行っており、今後、有力な地域有償ボランティア団体となる可能性を秘めている。

他方、児童・生徒のボランティアとしての活用は、制度上からのさまざまな制約があろうが、課外活動の一貫として位置づけるなど、地域福祉の文化的土壌形成の観点からも、関係部署間の協議・連携により実現することが望まれる(→参考:教育カリキュラムとしてではないが、北海道栗山町では、夏休み期間を利用した中学・高校生の独居老人宅ホームステイや、福祉施設体験合宿などのユニークな地域福祉教育の試みを行っている)。

第2に、ボランティアに依存するシステムから、思い切って別のシステムヘ転換するという代替案も考えられる。

配達の安定性、柔軟性という点では、事業組織の方が信頼できるから、可能であれば(人的にゆとりがあれば)調理を担当する施設の運営主体に一括して委託することが考えられる。しかし、一般的には、専業の宅配事業者に配達機能部分を委託する方が合理的であろう。ただし、それに伴って、配達コストが確実に低下するかどうかは不明であり、仮にさほどのコスト低下が実現しない場合には「配達」という機能において地域資源(ボランティア)の活用を断念するという、失うものの方が大きいかもしれない。

 

オ 保存容器・宅配手段の変更/調理形態の変更等

 

食品衛生上の安全性を高めるためには、配送拠点、配送車両、配達先における温度管理を改善するか、配達する食事そのものを当日調理食から保存機能の高い加工食品に代えるか、二つの方法が考えられる。

前者の代替案としては、温菜と冷菜を分離する「温冷容器」や「温冷配送車」の採用がある。

 

―事例―

(株)ニチイ学館は、温冷配送車で配送し、利用者宅には無料で温冷キャビネットを設置。

 

後者の代替案としては、2]で言及したレトルトパックのほかに、チルド食や冷凍食の利用が考えられる。ただし、この場合には、熱湯で暖める、電子レンジで解凍・加熱するなど、ADLや痴呆の程度によってはやや危険を伴う作業を利用者に負担させることになるため、対象者の範囲がやや狭くなる可能性がある。

 

―事例―

(株)ストークは、日通のペリカン便を利用して、チルド食を宅配。

(株)プリンセスは、冷凍食宅配で、1食当たり単価を約400円に削減、自治体に提案。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION