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このような措置制度は、介護保険制度の導入及び障害者福祉分野における利用制度(利用者が福祉サービスの提供者と契約し、市町村が利用者に対して支援費を支給する)の検討など、大きく変わりつつある。

 

図表1-2 措置制度の支援費支給方式への転換

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資料:「社会福祉事業法等一部改正法案要綱の概要」(厚生省)をもとに作成

 

いずれにしても、このような構造のもとで、これまで、身体機能が変化(低下)し、日常生活に不便や不自由を感じ、何らかの手助けを必要とした場合、あるいは寝たきりとなり「介護」が必要となった場合などのいわゆる「福祉」領域のサービスは、本人の家族や親戚、友人あるいは近隣の人々(Informal Sector)などによる家族介護という無償サービスを別とすれば、国や自治体(Public Sector)による「行政措置」サービスが中心であった。

しかし、本格的な高齢社会の到来を目前に控え、世帯構造や地域構造の変化、財政の逼迫等を背景として、介護保険制度が創設されることとなり、市町村はこれまで以上に「地域の介護力」を高め、新たなるサービス供給体制を構築する必要に迫られている。その中でも、介護保険の対象外となるサービスについては、市町村の事業として、継続していかざるを得ない状況に置かれている。

 

 

 

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