舶用小型ディーゼル機関の冷却水取り入れ口部品形状の調査研究
ヤマハ発動機株式会社
1. 目的
舶用小型ディーゼル機関の冷却水の取り入れは、艇体に装着されたキングストンコックを通して行われるのが一般的である。しかし、30ノットを超える高速艇では、キングストンコックの入り口形状に適当なものが無いため、
・負圧を生じ冷却水量が不足する。
・動圧をかけて冷却水量を確保すると、抵抗が増え速力が落ちる。
冷却水を確保し、かつ速力を得るために、やむを得ず大馬力ディーゼル機関を搭載しているのが実情である。
このため本調査研究では、抵抗の増加が少なく、冷却水量を確保できるキングストンコック入り口部品の最適形状を調査する。これにより、エンジン馬力を現状よりも小さくすることが可能となり、小型ディーゼル機関の価格及びユーザーの燃料維持費負担の軽減が図れる。
図1にキングストンコック既存品の形状および34フィート高速型漁船での性能を示す。