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6.2.3 加熱曲げ

 

加熱曲げは、6.2.2で述べた油圧プレスや三本ロールによる曲げ加工後、線状加熱や部分加熱焼きなどの局部的な加熱によって最終の仕上り形状を得る熱間加工である。熱源は、適当な大きさの酸素・アセチレンバーナ又は酸素・プロパンバーナを用い、これを適当な速さで移動し、水で周囲を急冷して目的を達する方法である。鋼板の加熱成形加工17)と同じであるが、経験的な要素が極めて多い。

(1) 加熱曲げ

材料の加熱、冷却による収縮を利用し、板厚方向の加熱収縮差によって曲げを起こさせるものである。この場合、加熱したその周囲は、いつも冷えていることが必要となる。

 

参考資料

6N01-T5 押出形材のひずみ取り加熱と引張性質

 

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図A 加熱時間と引張性質の関係

 

(1) 加熱温度が250℃以下ならば、加熱時間が8min.におよんでも、加熱後の引張強さは加熱前の値の90%、耐力で85%程度である。

(2) 加熱温度300℃の場合は、加熱時間を1min.以内、350℃ではおよそ0.2min.以内にとどめるならば、引張強さは、加熱前の値の80%、耐力で75%を維持できる。

(3) 加熱温度250℃以上では、加熱時間の影響が明瞭に現われ、加熱時間が長くなると引張強さが低下する。また、加熱後の冷却方法の相違が機械的性質に及ぼす影響は、試験片が小さいためか明瞭ではなかった。

(4) 300℃および350℃における繰返し加熱は、回数の増加につれて引張強さが低下する傾向がみられる。

 

 

 

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