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Photo.7.3 船首及びブルワークの仮付け溶接例(函東工業(株)提供)

 

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Photo.7.4 船側外板の仮付け溶接とストロングバック((株)木曽造船提供)

 

Table 7.32 仮付け溶接の寸法とピッチ5)、6)

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注.

(1) 上部構造等の仮付け溶接は、スプール・オン・ガンタイプミグ溶接機を用いるのがよい。

(2) 仮付け溶接は、ミグ溶接で行う。

 

仮付け溶接は、ティグ、ミグいずれの溶接法でもよいが、3mm程度の板厚ではティグ溶接法、それ以上の板厚ではミグ溶接法が能率的である。最近では、前出のPhoto.4.21で示したスプール・オン・ガンタイプのミグ溶接機が多用されている。以下に、注意事項を述べる。

(1) 仮付け溶接は、決められたピッチ及び寸法を守ること。Table 7.32は、拘束のない平板の場合の例である。

(2) 仮付け溶接は、原則として飛石法又は対称法で行う。前出のFig.7.47の例*7.35のような平板の場合、片側から仮付け溶接すると回転変形が起きる。ルート間隔を維持するためのスペーサは、締め付けられて除去できなくなることがあるから、使用しない方がよい。

(3) 仮付け溶接ののど厚は、本溶接の1/2以上、又は初層ビードの、のど厚以上とすること。

(4) 仮付け溶接は、すみ肉溶接では最初に行う本溶接の反対側(板継ぎの両面一層溶接では裏側)に行い、片側の本溶接終了後、仮付け溶接を完全に除去してからその側を本溶接するのが原則である。しかし、作業の段取りその他から、仮付け溶接側を本溶接する場合には、仮付け溶接で生じた黒粉、酸化皮膜その他の欠陥はワイヤブラシで除去してから本溶接を行う。この場合、仮付け溶接の両端は、なるべく滑らかな傾斜がつくようにアングルグラインダ又はたがねなどではつりとっておく。ワイヤブラッシングやはつり作業で生じた異物は、ルート間隔の間に溜まるので、必ずエヤーブロウして除去すること。

(5) 仮付けビードにき裂又は割れを生じた場合は、そのビードを完全に除去し、仮付け溶接のやり直しをすること。

 

*7.35 Fig.7.47の例は、重錘で開先を押さえた例であるが、ここでは押さえなし又は押さえが不十分な場合である。

 

 

 

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