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第5章 結 言

 

5.1 本年度の調査研究成果概要

 

平成11年度調査研究の成果として、国連勧告引用ASTM法金属腐食試験の実施体制を整える事ができた。詳細手順書作成のテーマについても、試験実施に当たっての解説的内容を多く含んだ試験実施者の指針に成り得る内容とする事ができた。

 

5.2 報告書の作成

 

運輸省から通達された海査第339号の中に危険性評価基準として、金属腐食性試験方法についても試験方法の概要が記載されている。この内容は(社)日本海事検定協会により「物質の危険性評価の試験方法及び判定基準と解説」として平成10年7月に発行されている。

金属腐食性試験実施者に対し上記基準と解説の内容を踏まえた上で、ASTM試験法実施にあたっての手順の一例及び実務実施にあたっての解説的効果を与える事を目的として、とりあえず本年度分の内容を盛り込んだ報告書を作成した。

 

5.3 今後の課題

 

ASTM法は、試験室での金属腐食試験全般にわたる一般的解説書(guide)として記述されており、試験方法の詳細には言及していない。さらに、引用ASTMも多岐にわたっている。したがって国連勧告に規定されている容器用鋼及びアルミニウムに限定した範囲で試験方法の問題点を洗い出し、内容を整理し、試験実施手順の詳細例を作成する。市中から入手困難な鋼材SPV235について、代替品の探索を行う。腐食性試験手順の検証の参考とするため、単純な酸・アルカリ性液体の腐食性試験データを集積し、参考値として役立てる。また、前記の代替品探索の比較データとしても利用する。

 

5.4 まとめ

 

本年度の調査研究成果を前述したが、新たに発生した課題もあり、最終的な報告書の作成は平成12年度に引き継がれた。

次年度は各テーマのまとめの年度でもあり、当協会としても「固体酸化性物質試験」及び「金属腐食性試験」に対する課題の完成をめざして、調査研究を継続実施する。

 

5.5 その他

 

[添付資料一覧]

資料-No.1、図1〜3 恒温槽/試験容器/試験片支持具

資料-No.2、試験データ例

資料-No.3、アルミニウム試験片材質

資料-No.4、鋼試験片材質

 

 

 

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