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(1) 鋼については、次のいずれかの方法による。

1]塩酸(密度 1.19 g/ml)1,000m+20 g Sb2O3+50g SnCl2を20〜25℃の温度で1〜25分間作用させる。

:溶液を激しく撹拌するか、試験片をブラッシングすべきである。経験から時間がかかる事が知られている。

2]塩酸{(密度 1.19 g/ml)500ml+ヘキサメチレンテトラミン3.5g}/リットルを20〜25℃の温度で10分間作用させる。

:経験から、より長い時間が必要と推察される。

3]クエン酸ニアンモニウム200g/1,000 mlを75〜90℃の温度で20分間作用させる。

4]50g NaOH + 200 g粒状亜鉛(Zn) を水で1リットルとし、80〜90℃の温度で30〜40分作用させる。

:金属亜鉛の使用に際しては自然発火に注意する。

5]200g NaOH + 20g粒状亜鉛(Zn) を水で1リットルとし、80〜90℃の温度で30〜40分作用させる。

6]溶融苛性ソーダ+1.5〜2.0% NaOH(水素化ナトリウム)を370℃の温度で1〜20分作用させる。

:水素化ナトリウムは還元性が強く金属酸化物・塩化物から金属を遊離する。

(2) アルミニウムについては、環境有害元素使用の除去方法を除外すると、以下の1方法となった。

1]硝酸(密度 1.42 g/ml)を20〜25℃の温度で1〜5分間作用させる。

:硝酸と素材との反応による減少を最小限に留めるため、付着堆積物及び腐食生成物は予め除去しておく。

 

3.7.3 化学的、錆除去方法の考察

部会で課題とした、アルミニウム試験片での蜂の巣状錆の化学的除去方法を検討した。結果として、錆自体は柔らかくなり取れやすくなるが、地金に対する腐食も無視できず、物理的除去が困難な場合の補助手段と位置付ける事が妥当と推察された。 実務的手順としてはナイロンタワシで除去困難な錆に対する前処理として、超音波洗浄等と並行して使用すれば有効であると判断されるが、必須手順ではないと考える。

(1) 3.5で実施した単純酸・アルカリ性試験液で腐食された試験片に対する化学的、錆除去実施結果

 

 

 

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