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2.2 新試験方法の改訂点の概要

 

主な改訂点は、試験片の保持状態を気相中・半没・全没の3状態としたことである。鋼材質はP235(ISO 9328(II): 1991)相当品、アルミニウム材質は従来法と同じ物品が例示され、腐食度の大きい方の材質で評価するとの基準となった。

 

2.3 従来試験方法の概略(写-1〜8参照)

 

1]試験片関連データ:密度7.86 g/cm3、1cm角・10 cm長の鋼を使用の場合、半没状態での面積は21 cm2であり、質量換算すると鋼1.413 g が6.25 mm/年、相当質量となる。

2]試験片材質データ:通達で指定されていた鋼はSS-41鋼「一般構造用圧延鋼材」(JIS G3101-1987)であった。

3]試験用件:試験日数は5日、試験使用物質量は500 mlであった。また、pHが2.0以下又は11.5以上の試験物質は腐食性物質に該当するものと判定して差し支えないと記載されていた。

 

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2.4 主な改訂点

 

(1) 試験片の保持状態が前記3状態となったため、同一材質の試験片は、試験用3個、平行試験用3個、ブランク用2個、合計8個必要となった。

(2) 試験片鋼材の型番が前記の通り容器用鋼材に変更になった。

(3)試験片形状が変更になり(以前は1cm角棒状)、角型又は円盤型で、直径40mm、厚さ3mmで、板状のものから切り出す事となった。

(4) 試験物質は1.8 リットル充填となった。(以前は500 ml)

(5) 試験日数が7日となった。(以前は5日)

 

2.5 ASTM試験法の問題点及び検討課題

 

1]国連勧告引用新試験方法に記載されている概念図より装置を試作し試験を試行する

2]新試験方法で使用する鋼は ISO 9328(II)-1991、アルミニウムは ISO 7075-T6 又はAZ5GU-T6 相当品とされているが、国内における板状材料相当品を調査し、指定仕様の試験片を作成し試験に供する。

3]従来は試験片を半没状態で試験したが、気相中及び全没の試験が追加され3状態での試験実施となった。これに伴い従来の規定による判定と結果の異なる物質も想定されるため早急に試験実施手順を検討し問題点の洗い出しを行いデータの集積を行う。

4]金属腐食試験用、試験物質の調査選択

5]アルカリ性等、ガラスを腐食する試験物質に対する装置の対応

6]試験物質量を多量(従来は500 ml)に必要とし、装置もかなり大型化するので、可能であれば小型化を検討し少量試験液にも対応可能とする

7]上記問題点を解決し、早急な試験実施体制を確立するとともに、試験実施要領を作成し当該試験の円滑な導入をはかる

 

 

 

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