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はじめに

 

危険物、液状化物質等の船舶運送中に人命、船体、財貨等に有害な影響を及ぼすおそれのある貨物については、その取り扱いを適切、かつ、国際的に統一した基準で行うことが要請されている。このため、国際海事機関(IMO)はSOLAS条約第VI章・第VII章をはじめ各種の規則・基準を整備し、その多くは我が国国内法にも取り入れられている。これら規則・基準のIMOにおける審議の詳細は、危険物、固体貨物及びコンテナ小委員会(DSC小委員会)に委ねられている。DSC小委員会は、平成8年2月、従来設置されていた危険物運送(CDG)小委員会及びコンテナ・貨物(BC)小委員会を統合した形で設置され、危険物、固体ばら積み貨物、コンテナ等貨物の海上運送に係るIMDGコード(国際海上危険物規程)、BCコード(固体ばら積み貨物の安全実施規則)、CSSコード(貨物の積付け及び固定に関する安全実施規則)等について審議を行なっている。

DSC小委員会で検討される内容は、国内関連規則に直接係わりがあるのみならず、広範かつ詳細に及んでおり、DSC小委員会への各国提案については、我が国の実状を踏まえた正確な対応が要請される。このため、現在海上運送において問題となっている事案についての適切な調査研究及びその成果のIMOへの反映が重要である。

こうした背景から、危険物及び特殊貨物の海上運送に関する専門家により構成される本委員会は、DSC小委員会における各種検討事項について、わが国の意見を集約し、同小委員会へのわが国意見をより確実なものとするため及び関連情報を収集するため専門家を同小委員会及び作業部会へ派遣している。

本報告書は、本委員会の本年度の活動の成果をまとめたものである。

 

 

 

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