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20. Ibid.

21. プレジデント、1999.7,8月合併号、p.59

22. Ibid., p.59

23. "Davos culture"とは、サミュエル・ハンティントンにより措定された、企業家、経営者の行動規範、精神性を規定する文化的特徴である。ハンティントンによれば、この文化の体現者たるビジネスエリートを中心とした層の特徴は、cost/benefit consciousであり、このnotionに突き動かされて行動し、時間的迅速性・精緻性、場所的ダイナミズムをその行動の本質としてもち、仕事、仕事外を問わず、大量のことを短時間に「こなし」、常に物事(特にtangibleなこと)を処理し、"走り続ける"ことを善とする。更には、概ね中産階級的行動倫理をベースとしたものであるといえる。cf.Berger,P.L.,Fall, 1997, pp.24-25

24. 宮本又郎、他、著、1995、pp.91-94

25. 西川正治郎、p.220

26. 筒井清忠、「近代日本における経営のエートス」、筒井、1995。前註も含め、これらの点に関しては、筒井清忠、1995に詳しい。

27. 仏の社会学者 P.ブルデューの措定するところのハビトゥスとは、"身体化"された次元での社会、歴史のことである。また、彼はこれを、主観的構造となった客観的構造とも謂う。[ブルデュー来日記念講演集p.177]ブルデューは、社会、歴史は、2つの次元で存在すると規定する。即ち、(a)法律、制度等において、また、それが図表・書物などにおいて表れるかたちにおいて。つまり、"モノ化"した次元における存在としてである。そして、(b)「ハビトゥス」という形で身体化されたものとしての存在の仕方である。[Ibid.,pp.177-81]無論、(a)は (b)を体現・執行する行為者 (社会的人間)を、その行為者が生き、社会過程を形成し続ける限り影響を与え続けるものであり、また逆に、制度、法など(a)も、行為者によって実働せられてはじめて実体化し、継承せられるものであれば、両者は相互規定的である。また、「行為者」は、生物学的には「個人」であるが、(1)社会・歴史の採入・再生産プロセスを履行するにおいて、(2)それを履行し、社会過程を共に形成する他者との間主体性が (社会生活において)前提であるという意味において、社会・歴史的には「独立個人」ではありえない。これらの限定の上、ハビトゥスとは、各々の有機体 (社会的人間)のなかに、知覚、思考、行為のシェーマの形式で定着しているもので、過去の諸経験の動的な現存を確かなものとし、時間を通じての実践と一致と一貫性を保証するものである。[ブルデュー『実践感覚』I、p.86]更には、或る環境世界で働く(機能する)文化の再生産過程において、そこに属する人間によって殆ど無意図的におのずと修得・実践される、身体化された歴史・社会的行為、更にはそれを可能せしめる態度ならびに能力である。

 

 

 

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