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2. オゾン層の破壊

 

■オゾン層の破壊のメカニズムとその影響

地球をとりまく大気上空には、オゾン層と呼ばれる大気中に含まれるオゾンの大部分が存在する層があり、生物を有害な紫外線(UV-B)から守る働きをしています。近年、スプレーの噴射剤やクーラーの冷媒などに使用されてきたフロンが大気上空に到達し、オゾン層の破壊をもたらしています。オゾン層の破壊に伴い地上に届く有害な紫外線が増加し、皮膚がんの発生率が高まったり、突然変異が起こりやすくなるといわれています。オゾンホールとは、成層圏オゾンの濃度が周囲に比べて極端に低い部分をいい、近年、南極上空に毎年発生していて、その規模は年々大きくかつ長期化する傾向にあります。

 

●南半球オゾン分布(1979年10月平均値)

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●南半球オゾン分布(1998年10月平均値)

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資料: 気象庁

 

●オゾン層破壊のメカニズム

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オゾン層を破壊する代表的な物質としては、特定フロン(フロン12等)、ハロン(ハロン1301等)やトリクロロエタンなどがあります。

自動車のカークーラや冷凍冷蔵コンテナ用冷媒にはフロン12が、船舶・航空機の消火剤にはハロン1301が使われています。

ハロンは1994年1月1日以降すでにその生産は中止されていますが、過去に生産されたハロンについて、大気中への放出を極力抑制する必要があります。

また、冷媒などに使用される特定フロンについても1996年以降の生産は全廃されていますが、フロンの大気中への放出を抑制するためにも、過去に生産された特定フロンの積極的な回収・再利用・破壊を図っていくことが必要です。

 

●モントリオール議定書に基づく削減スケジュール

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※1: 基準量=HCFCの1989年消費量算定値+CFCの1989年消費量算定値×0.028

※2: 2029年までは、冷凍空調機器の補充用のみ基準量比0.5%以下まで認められる

 

 

 

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