日本財団 図書館


ただ、今回はごくごく小さな本当にささやかな一歩だと思いますので、業界の方も、各省庁の方も前向きに進めていっていただきたい。環境対策に経済的措置、とりわけ税の仕組みを取り入れる流れは、国際交渉の流れを見ていますと、不可避だと思います。早くやっている国ほど、環境だけでなく経済にもいい、ウインウインだと言っているわけです。日本の経済のためにも遅れをとらないようにしていただきたいと思っております。

 

○石 ありがとうございました。用意しました議題がほとんど尽きました。大変おもしろい議論が闘わされました。きょうは本音の部分が大分闘わされたことは大変有意義だったと思いますが、もちろん私は最後にこれをまとめるというには余りにもたくさんのテーマがありましたので、一言だけコメントをさせていただきます。やはり自動車の持っている社会的コストというのを我々は時々立ちどまって考えなくてはいけないと思います。自動車は、確かにこんな便利な社会をつくりましたが、いつも言うんですが、毎年日本で1万人、世界で50万人の人を殺して、なおかつ全地球の公害の恐らく3分の1は自動車が原因だろうと考えられていますが、そういうものを私たちの社会は容認しているわけであります。常にそれは是正しながらいかなくちゃいけないわけであります。今回も長い目で見れば、やはりそういう環境コストにしましても、ほかの問題、CO2を含めましても、自動車というのはどこかで立ちどまって常にチェックしなくてはいけない、ということを私はかねてから考えております。そういう意味でもきょうのシンポジウムは、非常に有意義であったと思います。

もう一つは、国際会議に出ることが比較的多いんですけれども、日本から世界に向けて発信するものはいつも極端に少ないんですね。ですから、私はぜひこのグリーン化税を世界に向けて、京都会議をやった日本がこういうような方式をついにとりましたということを胸を張って言いたいなと考えております。香川さんも減税部分だけ半分は賛成していただいたわけですから、あとの半分はぜひお考えいただいて、司会者が余りバイアスのかかったことを言っちゃまずいんですが、それをもって終わりとしたいと思います。

なお、質問の時間を少しとってありますので、もしも会場の方でご質問がある方があればどうぞ。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION