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a.スイス国鉄

1986年以来、混雑時を除けば、いつでも、どんなタイプの自転車でも持ち込みが可能。例えば、バーゼル〜チューリッヒ間に運行される54本の列車のうち42本が利用できる。

持ち込み可能の車両には、乗車口に自転車の小さなロゴが描かれる。大きなロゴの客車には5台分の自転車用フックが設置されている。連結の貨物車に積み込んでもよい。

料金は、短距離(運賃15スイスフラン以内)は乗客運賃と同額。長距離は1台一律15スイスフラン。94年6月に36,054枚売れた自転車用チケットが95年6月には51,296枚に。1年間で42%アップ。別送料金は12フラン。輪行(分解・袋詰め)の場合は手荷物扱いで無料。

b.オランダ国鉄

80年代初頭に、すでに年間20万台の自転車を列車で運んだが、チッキ式が年間通してのサービスであるのに対し、持ち込み式は、6月から9月までのバカンスシーズンだけ。

「1990年〜2010年に自転車と鉄道との連携改善により、鉄道の旅客・キロを15%増大する」の国家目標を達成するため、最近、折り畳み自転車の持ち込みが可能になった。

自転車輸送料は・50キロメートルまで7.50ギルダー・51〜150キロメートル11.75ギルダー・151キロメートル以上14.75ギルダー(1981年時点)。

c.ドイツ・ハンブルグ地下鉄(HVV=ハンブルグ交通連合)

1981年からサービス開始。曜日に関係なく午前9時〜午後2時、午後6時以降、ドア毎に2台まで(一等車を除く)持ち込める。料金は2マルク30ペニヒ。初乗り1.5マルクに比べて割高だが、初年度には平日700台程度、週末2,000台程度が利用、年間20万マルクの増収となったという。

2)自転車のバス搭載・持ち込み(実施例)

生活交通の重要な手段として位置付けされているが、列車と同じくレジャー型もある。

a.スイス・バーゼル市電・市バス

混雑時を除けば市電・市バスとも持ち込み可能。市電11路線のうち郊外に伸びる2路線の車両は低床式で、8個のフックを設置したコンパートメントを特設。長椅子を上げると、裏側に自転車の後輪を固定する金具が付いている。料金は1回2.80スイスフラン。市バス持ち込みは市条例では規定されておらず、“黙認”のようだ。

b.スイス郵便バス

郵便局運営のバス事業。バーゼル中央駅と空港を結ぶ路線では5個のフックを備えた貨物車が連結される。バーゼルの南ラウヘン駅と景勝地パスワング峠を結ぶ路線では、峠からのダウンヒルを楽しむサイクリストを対象に、計10台が積める自動車専用キャリアが連結される。4月から10月末までの期間限定。平日1便、土曜3便、日曜2便を運行する。専用キャリア付きバスは数が少なく、スイス北西部ではここだけのサービス。

 

 

 

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