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<海外写真5>ラウヘン駅とパスワング峠を結ぶ自転車キャリア付きバス

(3) 「実用性」の追求

自転車を組み込んだ環境共生型の交通体系の確立は重要なテーマだが、これを市民生活に根付かせることは決して容易ではない。列車やバスで運ばれる自転車が、最も早く目的地に到着する安全で便利な乗り物であることを実証することが不可欠といえるだろう。

1) インフラ整備

自転車モデル都市スイス・バーゼルでは、1988年以来、自転車専用道路網を建設、1998年までに計画140キロメートルのうち110キロメートルを完成。インフラ整備により、市内の自転車利用率を17%から24%(94/91)に拡大した。バーゼル中央駅構内には改札口がなく、階段のほかにスロープを設けている。

2) 利用し易い設備

ドイツサイクリスト連盟は最新の『ポジションペーパー』でドイツ鉄道会社(旧ドイツ国鉄)が使っている自転車輸送用車両4タイプについて、利用者の立場から行った現場テストに基づいて、次のように、それぞれの利点、欠点、適したサービス対象分野も提案している。

a.在来型の車掌車(手荷物車両)

[対象]大型の団体旅行向け。係員を増やすと費用対効果が期待できない。

[利点]どんな形式の自転車を大量に簡単に輸送できる。

[欠点]積み込みに車掌が必要。乗客も自転車をハッチ(ホームからの高さ80センチ)までを持ち上げなければならない。

 

 

 

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